
ダムダクラウド株式会社
代表取締役 辛 承敏(シン スンミン)氏
ダムダクラウド株式会社 代表取締役の辛 承敏(シン スンミン)氏に、直接お話を伺いました。
AIとクラウドに基づく
サイバーセキュリティプラットフォームの 開発・提供
Q御社のサービスを詳しく教えてください。
業種を問わず、多くの企業がITに依存している中、サイバーリスクは今や、途切れることのない脅威となっています。つい先日も韓国の大手カード会社がサイバー攻撃にあいましたが、日本も非常に似たような状況だと思います。
また、サイバー攻撃は複雑化しており、かつ目に見えないものなので非常に危険です。攻撃に備えるためには、従来型のサイバーセキュリティ対策では、ウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)、エンドポイント検出・応答システム(EDR)、システムモニター、セキュリティ情報・イベント管理(SIEM)、セキュリティオーケストレーション・自動化対応(SOAR)、フォレンジックシステムなど、個別にサービスを購入する必要があり、かなりのコストがかかりました。またその複雑さから、大手のシステムインテグレーターに頼らざるを得ません。しかし、我々のプラットフォームであるAI搭載 Plura-XDRにはすべてのサービスが含まれています。かつ、私たちのプログラムは容量が小さく(5MB)、数分でスムーズにインストールできます。さらに、1ホストにつき毎月200円ほどのお支払いで済みます。
もし、自分自身でセキュリティプラットフォームを作ろうとしたら、何億円もかかるかもしれませんし、複雑なシステムをすべて理解しなければなりません。しかし、クラウドにある我々のサービスを使えば、サイバー攻撃からあなたのコンピューターを簡単に守れます。クラウドサービスを利用するので、ハードウエアを購入する必要はなく、コストを最大で95%削減できるのです。
さらに当社の開発者はAIを活用して日々コーディングを行っています。従来のパターン認識だけでなく、AIを使って未知の攻撃(ゼロデイ)の動きを分析しているので、攻撃の最初から最後までをしっかり見つけられるようにしています。この方法により、誤検知が継続的に減少し、平均対応時間(MTTR)も短縮できています。
Qこれまで、どのようなキャリアパスを歩まれましたでしょうか?
2013年に韓国でゲーム会社を立ち上げました。開発したゲームは中国でブームを巻き起こすほど人気があったのですが、中国からのサイバー攻撃にあってしまい、500万ドルの損失を被りました。
もともとサイバーセキュリティ分野の博士号を持っていたので、自分自身でウイルス侵入の境界(パリメーター)だけでなく、侵入後も検知・対応できるプラットフォームを作ろうと日夜コーディングに励み、2014年、韓国でQubit Security Inc.を設立しました。
Q東京に進出したのはいつでしょうか?
2025年6月、東京にダムダクラウド株式会社を、Qubit Security Inc.からの100%出資で設立しました。実は2020年ごろに一度、日本に進出しようと考えたのですが、コロナ禍で実現できませんでした。2024年のSusHi Techに参加し、きらぼし銀行と面談する機会があり、東京都から補助金を受けることにつながりました。当社は現在、羽田にありますが、今後渋谷に移転する予定です。
Q海外進出にあたり、御社の製品にどのような工夫をされましたか?
日本が初めての海外進出となりますが、東京エリア向けサービスは2025年10月に開始予定です。書類は日本語で作られ、サポートも日本語で提供いたします。さらに重要な点として、デジタル主権の要件に対応するため、データはすべて日本国内で保存、処理されます。
Q今後の展望をお聞かせください。
今後2年間程度は、東京での事業に集中していく予定です。将来的には、イギリスの大手通信企業に対し、PoC(概念実証)として当社のプラットフォームを導入していただくことを目指しています。
QTokyo Global Connectのイベントに期待することは何でしょうか?
日本市場で信頼を獲得し、NTTや三菱のような大手企業を含むパートナー企業を開拓していきたいと思っています。
我々は企業向けに開発をしており、韓国ではサムソン電子やポスコ、ソウル市、カトリック・ソウル大司教区などで、我々のセキュリティプラットフォームが使われています。日本でもたくさんの顧客を抱える大手企業とつながれば、複雑だったセキュリティ対策をシンプルにまとめ、コストを下げ、システムの安全性と回復力を高める我々の技術を、より多くの企業に信頼してもらえると考えています。
Q日本企業にメッセージをお願いいたします。
現在、世界各地で戦争や犯罪が絶えません。そして、それはサイバー空間においても同様で、私たちは常にハッカーによる脅威にさらされています。
しかし、脅えるのではなく、備えることが必要です。ぜひ、PLURA-XDRを実際にご覧いただき、PoC(概念実証)をご検討ください。
パフォーマンス、導入までのスピード、そして安定稼働をぜひご自身でご確認いただければと思います。
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