
日本プロフェトAI株式会社
営業部長 Eason Lo 氏
日本プロフェトAI株式会社 日本営業責任者の営業部長 Eason Lo氏に、直接お話を伺いました。
台湾発、製造業の現場を変えるAIが東京に進出
QProfet AIの沿革を教えてください。
私は日本での営業責任者を務めています。台湾出身で日本在住10年、2023年にProfet AIへ入社しました。Profet AIは2018年に台湾で創業し、半導体をはじめとする製造業向けにAIソリューションを展開してきました。2023年には中国拠点を設立し、2024年には顧客数が300社を突破。そして2025年には、企業専用生成AI「Domain Twin」を発表しました。昨年10月には日本拠点を有楽町に開設し、本格的に日本市場へ参入しています。
Q日本進出のきっかけと、東京市場の位置づけは?
台湾・中国で多くの成功実績を築いてきましたが、日本のものづくりは世界トップレベルであり、ぜひそこに貢献したいと考えました。東京は産業・人材・ネットワークの中心であり、まず最初に進出すべき都市と判断しました。東京都からの補助金や、パートナー紹介といったご支援もいただき、有楽町で拠点をスタートすることができました。
グローバル戦略の中で、日本は台湾・中国に続く重要な市場であり、ここで成功経験を再現し、日本企業と共創していくことを目指しています。
QProfet AIの技術的な強みを教えてください。
大きく3点あります。
1.製造業に特化した AutoML(自動機械学習) のアルゴリズムにより、過去データを活用した高精度な予測を実現します。
2.作成したAIモデルは AILM(AI Lifecycle Management)で管理・運用でき、持続的に改善が可能です。
3.さらに、Domain Twin(企業専用生成AI)を活用すれば、ベテラン社員の知見をAI化し、社内の誰でも同じ水準の判断を下せるようになります。
競合としては米国のDataRobotやフランスのDataikuを意識していますが、製造業に特化し、誰でも使える実用性を重視している点が私たちの強みです。
Q日本市場に適応するうえでの工夫や課題は?
製品の日本語化は9割方できていますが、ユーザーガイドの表現や専門用語のニュアンスに課題があります。日本のお客様からのフィードバックを受け、都度改善しています。
また、海外発の企業として知名度が低く、信頼を得るまでに時間がかかる点も課題です。だからこそ、誠心誠意対応し、パートナー企業と共に日本市場に根付いていくことを大切にしています。
Q日本における協業パートナーとの取り組みは?
すでに都内では BIPROGY様、アイ・ティ・イノベーション様、AXLBIT様 の3社と協業しています。これらのパートナー企業と連携し、お客様からの問い合わせ対応や導入支援を行っています。
協業のスタートはPoC(概念実証)から始まるケースが多く、3か月間で30万円程度が目安です。そこから本格導入や事業パートナーへと展開していくことを想定しています。
理想的なパートナーは、SIerでAIに知見を持ち、お互いの目標を共有できる企業です。大企業に限らず、中堅・中小製造業との協業も視野に入れています。
Q日本市場での実績と今後の計画は?
すでに自動車関連2社、食品関連1社での実績があります。2025年度末までに20社での導入を目指しています。実績が10社を超えた段階で、日本での人員増強も計画しています。
台湾でも半導体から食品まで幅広い顧客を支援しており、日本でも同様に多様な業界での展開を模索しています。
Q都内企業へのメッセージをお願いします。
DXの遅れは日本の製造業にとって大きなリスクです。私たちは台湾や中国で多くの経験を積み、課題解決を実現してきました。まずはPoCから気軽に試していただきたいと思います。
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